ソフトボールの守備や走塁を続けていると、首、わき、スポーツブラの縁、ウエスト、内ももなどがヒリヒリすることがあります。これは汗で湿った皮膚同士、または皮膚と衣類が繰り返しこすれて起こる「肌擦れ」の可能性があります。年齢や体型だけで決まるものではなく、気温・湿度、ウェアの縫い目、動き方、肌状態などが重なって起こります。小さな違和感の段階で対処し、屋外スポーツを心地よく続けましょう。
汗をかく屋外スポーツで肌擦れが起こる理由
肌擦れの中心にあるのは、同じ場所へ繰り返しかかる摩擦です。査読論文のレビューでも、皮膚と布の間の過度な摩擦は、不快感、擦過傷、肌擦れ、水ぶくれにつながり得ると整理されています。汗や雨で皮膚が湿った状態が長く続くと表面がふやけ、軽い摩擦でも傷つきやすくなります。皮膚が接するわきや胸の下、内ももは湿気がこもりやすく、帽子、ユニフォーム、下着の縁や縫い目が動く場所も要注意です。
高知の9月は、気象庁の1991〜2020年平年値で平均気温25.0℃、平均相対湿度74%です。秋になっても練習中は汗ばみやすいため、「真夏を過ぎたから大丈夫」と決めつけず、その日の気象と自分の発汗量を見て準備しましょう。
肌擦れを防ぐ5つの準備
1. こすれる場所を練習前に確認する
着替えたら腕を振る、体をひねる、数回しゃがむなど、実際の動きで首回り、ブラのアンダー部分、わき、ウエスト、内ももを確認します。新品のウェアは、長時間の試合で初めて使う前に短い練習で試すと安心です。タグや硬い縫い目が当たる場合は、別のウェアを選ぶか、肌との間にやわらかな吸汗速乾インナーを挟みます。
2. きつすぎず、ずれにくいウェアを選ぶ
大きすぎる衣類は動くたびに擦れ、きつすぎる衣類は縁へ圧力が集中します。スポーツブラやインナーは、呼吸や肩の動きを妨げず、腕を上げても大きくずれないサイズを目安にします。皮膚の折れ目では、吸汗速乾性のある布が水分を逃がし、皮膚同士の摩擦を減らす選択肢になります。ただし素材の感じ方には個人差があるため、かゆみや赤みが出たものは使用を中止してください。
3. 繰り返し擦れる場所を薄く保護する
米国皮膚科学会は、足や太ももなど擦れやすい場所へのワセリンを、肌擦れ予防の方法の一つとして紹介しています。清潔で傷のない皮膚へごく薄く塗り、まず狭い範囲で刺激がないか確認します。滑りやすくなって用具の保持へ影響する手のひらには塗らず、顔はニキビができやすい人には合わない場合があります。製品表示も確認しましょう。
4. 汗を押さえる道具と着替えを用意する
清潔なタオル、替えのインナー、下着、シャツをバッグに入れます。汗はゴシゴシこすらず、タオルを当てて押さえるように取ります。濡れた衣類を長時間着たままにしないことも大切です。日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでも、汗で衣類が濡れた際の通気性のよい衣類、流水洗浄、清拭、着替えが案内されています。
5. 違和感が出たら早めに止まる
熱っぽさ、むずむず、軽い痛みは、摩擦を見直す合図です。休憩して汗を押さえ、衣類のずれや縫い目を直します。赤みや痛みが増すなら、その部分へ摩擦が続くプレーを中止します。「あと少し」と続けると、皮むけや水ぶくれへ進むことがあります。
肌擦れが起きたときのセルフケア
軽い赤みやヒリつきなら、まず原因になった運動と衣類を休み、ぬるめの流水で汗や汚れをやさしく落とします。刺激の強い消毒液を自己判断で繰り返したり、スクラブや硬いタオルでこすったりするのは避けます。清潔なタオルで押さえて乾かし、浅い擦り傷はワセリンなどで薄く保護し、必要に応じてくっつきにくい清潔なガーゼで覆います。
水ぶくれは皮膚の「ふた」が傷を守っているため、自分でつぶさないのが基本です。すでに破れた場合は皮を無理にはがさず、やさしく洗って清潔に覆ります。汗がしみる、衣類が触れるだけで痛む間は、同じ部位をこする運動を再開しないでください。
皮膚科などへ相談したいサイン
- 赤み、腫れ、熱感、痛みが広がる、または強くなる
- 膿、悪臭、発熱など感染を疑う変化がある
- 出血が止まらない、傷が深い、水ぶくれが大きく強く痛む
- 同じ場所へ何度も繰り返す、輪状に広がる、強いかゆみがある
- 糖尿病、血流や免疫に関わる病気があり、傷の治りに不安がある
皮膚の折れ目の赤みは、単純な擦れだけでなく、接触皮膚炎や細菌・真菌の感染などが関係することもあります。市販薬を重ね続けず、判断に迷うときは皮膚科やかかりつけ医へ相談しましょう。
肌擦れ対策に取り入れやすいグッズ
チューブ入りの白色ワセリンは、太ももや衣類の縁など繰り返し擦れる場所へ薄く塗りやすい選択肢です。医薬品の治療代わりではありません。傷が深い、化膿している、塗って刺激が出る場合は使用を中止し、医療機関へ相談してください。
胸元の汗や下着の縁が気になる人は、吸汗速乾性やメッシュ構造、縫い目、アンダー部分の当たり方を確認してスポーツブラを選びます。サイズ表を確認し、短時間の練習から試しましょう。
まとめ|汗を逃がし、摩擦を早めに止める
屋外スポーツの肌擦れ対策は、汗をこまめに押さえる、濡れた衣類を替える、体へ合う吸汗速乾ウェアを選ぶ、擦れやすい場所を薄く保護することが基本です。年齢や体型ではなく、毎回こすれる場所とその日の肌状態を手がかりに調整してください。違和感の段階で立ち止まることが、ソフトボールや屋外運動を無理なく続ける助けになります。
参考資料
- 気象庁「高知(高知県)平年値(年・月ごとの値)」
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
- American Academy of Dermatology「5 ways to use petroleum jelly for skin care」
- American Academy of Dermatology「How to prevent and treat blisters」
- Guptaほか「A Brief Review on Factors Affecting the Tribological Interaction between Human Skin and Different Textile Materials」
- Romanelliほか「The diagnosis, management and prevention of intertrigo in adults: a review」

